ヨガの神様、聖パタンジャリについての考察

ヨガの神様パタンジャリ

まえがき

 

聖パタンジャリについての情報は、巷のネットや書籍、ヨガ雑誌等にも、全くといっていい程、落ちていない今日です。

数少ない情報を手掛かりに、インド人でも知ることのないマイアックなインドの神話などを織り混ぜ、

今回、皆さんにシェアーしたいと思います。どうぞ皆さんのヨガにお役立てくださいませ。

坂東イッキ

 

 

 

聖パタンジャリについての考察

 

パタンジャリはBC200~500年頃、インドに実在した人物であり、はじめてヨガを体系化し、その生涯をヨガの普及に費やした偉大なヨギである。

しかし、現代の歴史家にとって、この偉大な聖人については殆ど何も知られていない。彼の人生を推測するソースとしては、伝説に頼らざる終えないのであるが、

おそらくSawadhyaya (自己研究)即ち精神鍛練の為の道場の長であったであろうと推測されている。

 

 

3人のパタンジャリ

 

さて、長いインド史の中で、3人のパタンジャリという名前をもつ非常に有名な人物が生まれてきている。

一人目の人物は有名な文法家。 Mahabhashya の注訳を著し、後にヨガの根本経典となるヨガス-トラを編纂し、ヨガをはじめて体系化した。今回のターゲットとなる一人目のパタンジャリ。

( Mahabhashya はサンスクリット語の文法における規律の完成を象徴した。その主な目的はヴェーダ(アーリア人聖書)の完全な姿を保存し正しい意味を理解するため、口語(Laukika) を規制する規則を与えた)

二人目の人物はニダーナスートラを著したパタンジャリ。
ヴェーダ儀式や礼拝の研究においては不可欠な存在とみなされている。

三人目の人物は、有名なサンキャ哲学講師のパタンジャリ 。

上記の3名は歴史家の見解によると、異なる時代に活躍し、全くの異なる人物であるとされている。
しかしインドに伝わる言い伝えではそれとは意見を異にし、上記の異なる3つの学説は1人の人物によってなされたものと、されているのである。

 

 

蛇の王(アナンタ)の化身

 

インドの伝承によると、パタンジャリは、自身の力で己らこの世に生まれて来た(Swayambhu)とされており。 
人類を救済する為に、自分の意志を人の姿に具現化させることができる進化した魂であったとされています。
また彼はアナンタの化身と見なされており、現代でも尚、世界中のヨギ達に帰依されています。

✳︎ アナンタとは?

ヴィシュヌ神の僕で、財宝を保護する千の頭を持つ蛇族の王。そして、ヴィシュヌ神が休息するための長椅子にもなる。

(千の蛇頭は無限もしくは遍在の象徴とされており、叡智(Jnana) の源ともみなされている)

 

 

 

アヌンナキとエンキ

 

 

 

 

 

 

 

アヌンナキとエンキ

 

上記の画像は古代メソポタミア文明において伝承される、シュメール人の神様のアヌンナキ(左)とエンキ(右)である。

特質的なその姿形は、上半身が人型で下半身は蛇であり、パタンジャリと同じ姿で在る。

神話の中で、この二神は、宇宙からやってきた神であり、人類創生の神とみなされて来ており、姿かたちの類似が見られることから、パタンジャリとの関係性も在るのでは無いか?と個人的に感じているのである。

 

 

聖パタンジャリの誕生(インド神話より)

 

ある日のこと、ヴィシュヌ神は宮殿で祭を行い、彼の長椅子(へビの王アディシーシャ=アナンタ)の上に横たわりながら皆と一緒に、シヴァ神のダンスを観覧しておりました。

最初はなにげなく眺めていましたが、グルーヴィーなシヴァ神のダンスはヴィシュヌの体をゆらしはじめます。
顔には恍惚の表情を浮かべ音にあわせてリズムを取ると、不思議なことに彼の体はどんどんと重くなっていきました。

ところが自分の体の上にヴィシュヌ神を乗せている蛇の王アディシーシャはヴィシュヌのあまりの重さに息切れし、今にもつぶれてしまいそうになります。

ようやくダンスも終わりヴィシュヌの体も元の重さに戻りました。

アディシーシャはそのあまりの変わり様に驚き、ヴィシュヌにその理由を訪ねます。

ヴィシュヌはそれに答えます。

「優雅で美しい気品に溢れたグルーヴィなシバ神のダンスは、私の体、魂を大きく揺さぶった。不思議な事にそれは私の体をどんどんと重くさせていったのだ。」と

驚くアディシーシャは、主人であるヴィシュヌをその様に変えてしまった、シヴァ神のダンスを習いたいと願いました。

それを察したヴィシュヌはこう予言します。

「アディシーシャよ、お前はシヴァより恩恵を被るであろう。 お前は人間に生まれ変わり、文法の注訳を著し(マハボハシーシャ)、芸術的なダンス(ヨガ)に専心できるようになるであろう」と

アディシーシャはその言葉に大喜びし、シヴァ神の恩恵が下りてくることを祈願し、いったい誰が地上での自分の母親に成るのかを知る為、独り静かに座しメディテーションを始めました。

 

 

・・その深い瞑想の中で・・・

 

 

アディシ-シャはゴニカというヨギニのヴィジョンを見ます。

叡智と知性のオーラに包まれているゴニカを見て、すぐに彼は「ゴニカこそ自分の母に成るにふさわしい人」であると気付き、彼女の息子になる至福の瞬間を待ちわびることにしました。

 

さて、ところ変わってこちらは地上界。

 

ゴニカは日課の沐浴に川へと向かう道中、ふと自分の生きてきた人生について考えました 。

「いったい、なにが悪いのだろう? 息子が欲しいという私の願いは満たされないまま私の人生は終わってしまうのであろうか…  それはとても悲しく残念なこと… 」

そんな焼きもきする思いを胸に抱えたまま、ゴニカは独り川に祈りの為、入水します。

両手一杯に水を取り、静かに目を閉じ、太陽神に祈りの水を捧げる。

 

そしてそっと目を開け両の手を見た彼女は驚きます!

彼女の手の中には一匹の白い小さなヘビが泳ぎ動めいているではありませんか。

 

まもなくそれは小さな人間の姿へと変わっていき

 

「私の母親になってくれますか?」

と彼女に承諾を求めました。
 

驚きよろこんだゴニカはそれを心良く受けいれます。

 

祈りの合掌(手印を結ぶ = anjali)をしていた時、

その子は天から落ちて(pat)来たので、それに由来し、

その子にパタンジャリ(patanjali)と名を付け、

末永くたいそうかわいがりましたとさ。

 

めでたしめでたし。

 

 

Hari OM

 

坂東イッキ

 

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Invocation to Patanjali
パタンジャリマントラ

 

Yogena cittasya padena vacam malam sarirasya ca vaidyakena yopakarottam  pravaram muninam patanjalim  pranajaliranato’smi abahu purusakaram  sankha cakrasi dharinam sahasra sirasam  svetam pranamami patanjalim.

Let us bow before the noblest of sages Patanjali, who gave yoga for serenity and sanctity of mind, grammar for clarity and purity of speech and medicine for perfection of health. Let us prostrate before Patanjali, an incarnation of Adisesa, whose upper body has a human form, whose arms hold a conch and a disc, and who is crowned by a thousand-headed cobra.

 

心の静けさと神聖さの為にヨガを

口語の明快さと純粋さの為に文法を

健康の完成の為に医学を

私達に与えてくれた最も高貴な

聖人パタンジャリに帰依いたします。

人類の上半身を持ち

腕にはシャンカ(法螺貝)と

チャクラ(円盤状の手裏剣)を備え

千の蛇頭を戴冠したアナンタの化身

聖パタンジャリに帰依いたします。

 

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画像は聖パタンジャリの銅像

 

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ヴァイクンタヨガ沖縄について

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